日米印海上共同訓練の視察
10月17日から18日、タミル・ナドゥ州に出張し、インド洋で実施されている日米印三カ国の海上共同訓練を視察してきました。
この訓練は米印主催の海上共同訓練「マラバール」に海上自衛隊が参加して行われたものです。日本はベンガル湾で行われた2007年での訓練に初めて招かれて以来、沖縄近海で行われた2009年及び2014年の訓練にも参加しており、今回で4回目の参加になります。
今回の訓練は、10月14日から19日までの6日間で実施されたもので、主に各種戦術訓練、射撃訓練、捜索・救難訓練などが行われました。日本の海上自衛隊は昨年3月に就役したばかりの最新鋭の護衛艦「ふゆづき」を派遣しており、インドからは艦艇5隻、米国からは艦艇4隻が参加しました。その他に印米両国からは哨戒機も訓練に参加しました。
私が視察したのは、18日に米原子力航空母艦「セオドア・ルーズベルト」を中心に行われた訓練で、他に日本のチェンナイ総領事、米国大使及び同国チェンナイ総領事、インド海軍参謀次長以下が視察に参加しました。まず艦載航空機に搭乗し、空母「セオドア・ルーズベルト」に着艦した後、同空母艦上にて艦載航空機の発着艦訓練の様子とその運用の仕方を見学しました。全体の訓練の一部ではありましたが、現場の緊張感及び最前線で任務にあたる隊員のプロフェッショナリズムを目の当たりにすることができました。また、米国空母に寄り添うように一糸乱れぬ陣形で航行する海上自衛隊及びインド海軍艦艇の姿を見て、自衛隊及び印米両海軍の技量の高さを改めて認識するとともに、日米印三カ国の海上共同訓練を通じた協力関係が進展していることを実感しました。
また、15日にはインド海軍艦艇の艦上で日米印三カ国代表による共同記者会見が行われました。各国よりそれぞれ、海上幕僚副長村川海将、印海軍東部方面総監参謀長ベルマ中将、米海軍第7艦隊司令官オーコイン中将が出席し、各代表からは、インド洋における日米印の海洋パートナーシップの深化に向けた本訓練の重要性を強調する旨の発言がなされました。
インド洋は日本にとって重要なシーレーンであり、インド洋を自由で開かれた海として維持することは日米印三カ国にとって重要な課題です。今後も海上共同訓練を通じた日米印三カ国による協力関係が促進されることを期待しています。
駐インド日本国特命全権大使
八木毅

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