安倍晋三総理は, 1月25日から27日,インドを訪問しました。
25日到着後,安倍総理は,ムカジー大統領への表敬に続いてマンモハン・シン首相との首脳会談に臨み,首脳会談後に「日印戦略的グローバル・パートナーシップの強化」と題する共同声明に署名しました。
日印首脳会談において,両首相は,政治・安全保障協力の強化に向けたさまざまな具体策に合意しました。経済面では,2,000億円規模の新規円借款の供与について日本側から伝達するとともに,多くのインド国内の大型インフラプロジェクトについての進展を確認したほか,インドとASEANなど近隣諸国との間の地域連結性と統合を強化するインフラ建設についても協力を検討することとなりました。加えて,両首脳は,日本企業のインド投資を拡大するため,税制や金融規制といったビジネス環境の改善に向けて協議をしていくことに合意しました。さらに,人的交流の分野においてもインド人に対する短期滞在数次査証の導入を発表するなど,具体的進展が図られました。
安倍総理は,26日,主賓として招かれた共和国記念日行事の記念パレードを大統領と共に観閲しました。これは日本の総理として初めてのことであり,日印関係の深化を象徴するものであると言えます。
また,日本から多くの経済界や科学技術分野等のリーダーの方々も訪印し、それぞれの分野において日印協力の強化が図られました。
日印首脳会談に先立つ25日午前には,日印ビジネス・リーダーズ・フォーラム(BLF)が開催され,両国の経済関係の強化に関する報告書が採択されました。この報告書は、BLFの共同議長(日本側:米倉経団連会長、インド側:キルロスカ・トヨタ・キルロスカ・モーター社副会長)から両首脳に提出されました。
25日午後,安倍総理は科学技術セミナーにも出席し,日本の技術がインドの発展に貢献するとともに、日本企業の更なるビジネスチャンスにつながることへの高い期待を表明しました。
26日午後には,総理はインドの各界で活躍するインド人女性リーダーの方々と懇談し,「女性の輝く社会」を作るとの我が国の政策方針について説明するとともに、インドにおける女性の社会進出の現状や管理職として活躍する女性を増加させる方策等について意見交換しました。
同日午後,総理はまた海外産業人材育成協会(HIDA)セミナーに出席し,産業人材育成を通じた日本流の地道な支援がインドの産業基盤を支えていることを強調しました。
今回の安倍総理訪印を通じて、日印戦略的グローバル・パートナーシップ強化のための具体策について様々な分野で大きな進展が見られたことは、日印関係の包括的強化につながるものと確信しています。
駐インド日本国特命全権大使
八木毅
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大使からのメッセージ (平成25年12月)
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