インパール作戦71周年記念式典出席
5月28日から29日、インド北東部のマニプール州に出張し、インパール作戦71周年記念式典に出席しました。
今回の式典は、昨年に引き続き、「マニプール観光フォーラム」と「第二次世界大戦インパール作戦財団」の主催、マニプール州政府の協力で開催されました。
昨年は70周年ということで3月から6月にかけて一連の行事が行われましたが、本年は5月と6月に2回の行事が行われます。インパール戦の中でも最も激しい戦闘が行われ、日本軍に多くの犠牲者が出た「レッド・ヒルの戦い」が行われた5月29日を捉えて開催されたものが今回の式典です。「レッド・ヒル」は、インパール郊外のロクパチンの平野にある小高い丘で、麓には1994年に日本の旧厚生省が建立した「インド平和記念碑」があります。もう一つの式典は、インパールから日本軍が撤退しインパール戦が事実上終局した時期の6月22日に開催される予定です。
今回の式典には、マニプール州首相や州議会議員などの州関係者、インド駐在オーストラリア高等弁務官らが出席、会場には子ども達を含む多くの地元住民の方々が集まりました。
まずはじめに、「インド平和記念碑」敷地内に新たに設置され、日本語、英語で「彼らの犠牲は、永遠に記憶に刻まれる」と書かれた石碑をテープカットした後、平和記念碑で献花しました。その後、記念碑に隣接する敷地内に、州首相、オーストラリア高等弁務官らと共に桜の苗木の植樹を行いました。
その後、近くの「オチアイ・コミュニティーホール」(現地の関係者によると、インパール戦に従軍した元日本兵の方の尽力で設立された建物)に場所を移し、出席者の挨拶が行われました。州首相からは、今後も戦争経験を後世に伝えつつ州内の戦跡を整備して観光を促進したいとの挨拶、オーストラリア高等弁務官からは、現在、日本とは良い友人であり、今後も共に世界の平和のために貢献していきたいとの挨拶がありました。私からは、戦没者への追悼の意、長きにわたりマニプール州政府及び関係者・団体が平和記念碑等を維持・管理してくれていることへの謝意を表するとともに、戦後70年間、日本が地域と世界の平和と繁栄に貢献してきたことや、最近の日印関係に言及しました。
式典の他には、州首相を表敬訪問し、また、英連邦軍墓地及び戦争博物館を訪問しました。州首相とは、インド北東州における連結性及び経済・社会開発の分野での協力強化につき議論しました。英連邦軍墓地(約200名のインド人等を含む1600名以上の英連邦軍戦没者の墓地でインパール市内所在)には、オーストラリア高等弁務官と共に訪問し献花しました。また、戦争博物館は、地元の活動家達によって設立されたもので、当時の写真、兵士の遺品の他、日本軍が発行した軍票などの資料が展示されています。
本年はインパール作戦71周年記念であるのみならず、戦後70周年にも当たります。昨年に引き続いてインパール作戦記念式典に出席できたことは、関係者の方々の御尽力のおかげであり、深く多とするとともに、日印関係全体の中で、今後もマニプール州を含む北東州との協力にも配慮していきたいと考えております。
駐インド日本国特命全権大使
八木毅

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