新年度を迎え,皆様も新鮮な気持ちで生活をスタートさせておられると思います。4月1日には,新しい元号「令和」が発表され,日本も新しい時代を迎えようとしています。
本年は,G20やTICAD等の国際会議,即位の礼の一連の式典が日本で開催されます。「令和元年」にふさわしく,日本が国際的に注目されることになります。日印関係も大きく進展しており,本年も,日印関係をもう一つ上の段階に引き上げるべく,館を挙げて取り組んで参る決意です。
インド経済は近年飛躍的な発展を遂げてきており,今年にはフランス,英国を上回る世界第5位の経済大国になると見られています。13億を超える国民を抱えるインドが,7%を上回る経済成長を続けていることの意味を改めて想起頂きたいと思います。この巨大なマーケットと日本が更なる連携を深めることは,日本の将来の発展の為に不可欠だと考えています。多くの日本企業に,インドに関心を持って頂き,スピード感と勇気をもってインドビジネスを展開して頂きたいと思います。私としても全力を挙げて支援させて頂きます。
昨年のモディ首相訪日で大きな進展が見られた安全保障・防衛分野においては,昨年11月に日本の陸上自衛隊とインド陸軍が初となる共同訓練(DHARMA GUARDIAN)を実施し,更に,2月に日印サイバー協議,3月に第一回日印宇宙対話が開催される等,首脳間で合意された事項が確実に実施されています。安全保障・防衛分野が,経済分野に追いついてきているのを実感します。不透明さが増す国際情勢の中で,良好な日印関係は世界に安定をもたらします。自由で開かれたインド太平洋の実現に向け,引き続き様々な分野で両国間の幅広い連携を強化して参ります。
また,1月には河野外務大臣が訪印しました。2019年の日本外交のキックオフとも言える同訪印では,モディ首相への表敬,スワラージ外相との会談を通じ,先のモディ首相訪日の成果を着実に実行に移すことが出来ました。更に,同訪印中に,印日友好フォーラム(India-Japan Friendship Forum)が立ち上げられました。今後,日印の様々な分野で活躍する有識者や企業家によって組織される同フォーラムを通じ,更なる人的交流,相互理解の促進に取り組んで参ります。
また,観光を通じた人的交流の大幅な拡大のために,1月には日印観光協議会が開催されました。日本から多くの観光業界要人,企業が参加し,観光促進に向けた具体策につき合意しました。また,本年秋にはチェンナイから,そして来年春にはベンガルールからそれぞれ成田への直行便が開設されます。私は,日印双方向の観光交流を抜本的に拡大できると考えています。「多様性の中の統一」という言葉で表現されるインドは,自然,歴史,文化等豊富な観光資源を有しています。実際に私も,インドの多くの州を訪問し,その文化の多様性に毎回驚かされています。その素晴らしい魅力を知り,体験するためにも,より多くの日本人にインドを訪れて頂きたいと考えます。
また,より多くのインド人の方に日本の魅力を知って頂きたいと考えております。2月には,当館で日本食の普及イベントを開催し,多くの日本食レストランに出展頂き,インド人の方々に日本食の様々な魅力を体感して頂きました。日本食を始め,日本の文化,日本人の持つ美意識や感性などについても理解を深めて頂ければと願っています。
3月には,日印防災協力会議が開催されました。自然災害に対処するノウハウが蓄積された日本は,同分野で大きな貢献,協力をする力があります。インドでも防災に関する関心は高く,同会議には日印双方から多くの防災関係者が出席し,活発な意見交換が行われました。同分野での更なる協力・連携強化のために,同会議のフォローアップに努めて参ります。
大使館の最重要任務は,在留邦人・渡航される邦人の皆様へのサービスと安全の確保であります。引き続き,適時適切な情報提供や注意喚起,安全のための支援に努めて参りますが,邦人の皆様におかれても,大使館の出す情報,ニュース等に常にアンテナを張って頂き,迅速な情報入手に努めて頂ければと思います。
平成31年4月
駐インド日本国特命全権大使
平松賢司
平松駐インド大使からのメッセージ (平成30年11月)
平松駐インド大使からのメッセージ (平成30年4月)
平松駐インド大使からのメッセージ (平成30年1月)
平松駐インド大使からのメッセージ (平成29年11月)
平松駐インド大使からのメッセージ (平成29年6月)
平松駐インド大使からのメッセージ (平成28年11月)
平松駐インド大使からのメッセージ (平成28年5月)
平松駐インド大使からのメッセージ (平成28年1月)
平松駐インド大使からのメッセージ (平成27年12月)
八木毅前駐インド大使のメッセージ
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