大使からのメッセージ

Ambassador Hiramatsu



昨年12月安倍総理がインドを訪問され,日印新時代の到来を宣言されました。それ以来,大使館として総理の決意を実現すべく邁進しています。私もほぼ毎日閣僚をはじめとする政府要人と会見し,それぞれの分野での日印協力の進め方につき議論しています。また,頻繁に地方に出張し,各州要人と意見交換をするとともに,各地の日系企業の方々の意見を聞かせて頂いています。加えて,既に多くの大学,研究機関で日本に関する講演をしています。

そういう中で,日本への関心の高まりを感じるとともに,インドにおいて日印関係は特別な地位を与えられていることを実感しています。4月にはワシントンで安倍総理とモディ首相の会談が行われ,昨年の首脳合意を着実に進める事が確認されました。この様に首脳レベルの信頼関係は極めて強いものがあります。両首脳の強いリーダーシップもあり,高速鉄道のプロジェクトを始め日印間の重要案件は順調に進んでいる様に思います。今後も閣僚レベルを始め要人の往来も予定されており,こういう機会を利用し,様々な取り組みを前に進めたいと思います。日印関係には前向きなモメンタムが存在し,歴史的な好機を迎えていると言っても過言ではないでしょう。この様な機会を捉えるために,皆様と力をあわせたいと思います。

ただし,経済関係を更に強化するにあたっては,税制,インフラといった面において,民間企業の方々が依然多くの問題を抱えていらっしゃる事も十分承知しています。「日印投資促進パートナーシップ」で掲げた5年間での投資等倍増,3.5兆円の官民投融資の目標実現のためにも,この様な問題解決のため官民が団結して取り組んでいかなければなりません。私も,閣僚をはじめ政府ハイレベルに,様々な問題の解決を事あるごとに申し入れをしており,幾つかの点で進展が見られたものもあります。今後とも全力で取り組んで参りますので,何なりとご相談頂ければと思います。

今後は人と人との交流を更に進めたいと思います。5年間で1万人のインドの若者を招待するとの目標実現のために,様々な交流プログラムの拡充を図っていきます。先日,さくらサイエンスプランに参加する生徒たちの壮行会に参加しましたが,彼らの希望に満ちた表情が印象的でした。加えて旅行者の数がもっと増えればと思います。日本からの旅行者が年間約20万人,インドからの旅行者が年間約10万人というのはいかにも少ないと思います。両国の関係は深まっているとはいえ,国民レベルの理解は未だ十分ではないと感じます。色々な誤解もある様です。この点も今後更に改善したいと思います。

私が着任以来重視している,戦略面での対話強化,環境,衛生,女性の活躍といったグローバルな課題に関する協力も徐々に進展しつつあります。この様に日印関係の裾野は更に広がってきています。

言うまでもなく,在留邦人の方々が安全で幸せな生活を送って頂くのが大使館の最大の使命です。今後も情報提供,意見交換に努めて参ります。

私もこれまで10以上の州を訪問しましたが,この国の多様性と奥の深さを実感しております。在留邦人の方々には,日本と異なる生活環境の中でご苦労が多いとは存じますが,インドの魅力を少しでも理解する様に努められ,インド滞在を楽しまれることをお祈りします。

駐インド日本国特命全権大使
平松賢司



平松駐インド大使からのメッセージ (平成28年1月)

平松駐インド大使からのメッセージ (平成27年12月)

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