大使からのメッセージ

平松賢司

着任のご挨拶

この度、駐インド日本国大使を拝命し、2015年11月25日に着任致しました。

着任前、多くの方から駐インド大使がいかに重要で大きな存在であるかを伺い、改めてその重責に身の引き締まる思いを感じております。インドの文化、歴史、宗教、言語等について勉強するにつれ、その奥深さに圧倒されております。このようなインドに赴任できますことを、家内共々楽しみにしております。

まずはインドにおいて益々増大する在留邦人の皆様へのサービス、安全の確保が大使館の最重要業務と心得て職務にあたりたいと考えています。

インドは我が国にとって、民主主義、人権、法の支配といった基本的な価値を共有する重要なパートナーです。日印両国は、地域の安定、海上交通の安全、テロ対策、核軍縮・不拡散、経済協力、エネルギー安全保障をはじめ、様々な分野で共通の利益を有しています。私はインドでの勤務は初めてですが、これまでもインドの戦略的重要性を強く認識し、インドと様々な形で関わってきました。前職の総合外交政策局長時代に発足当初から関わった政府間の日米印戦略対話は、今や閣僚レベルで会合を持つようになり、米印によるマラバール海上訓練にも日本は参加するようになりました。また、国際場裡でのインドとの連携も重要です。インドは安保理改革に向け積極的な役割を果たしており、日本が主導するG4(日本、インド、ドイツ、ブラジル)は本年9月に初の首脳会談を開き、国連改革で前進を見せています。気候変動や環境問題といった地球規模の課題においてもインドとの協力の余地は極めて大きいと思います。このような分野でも私はインド関係者と率直な議論を重ね、国際的な場におけるインドの存在感の大きさを実感しました。私のモットーは「結果を出す外交」です。昨年モディ首相が訪日した際、両国の関係は「日印特別戦略的グローバル・パートナーシップ」に格上げされました。この戦略的重要性に基づく二国間関係を近々にありうべき安倍総理のインド訪問を契機として一層具体的な形で進展させ、結果に結びつけることが私の大使としての使命と考えています。このような取組を通じ日印関係を未来に向けて確固たるものとしたいと思います。

そのために不可欠なのは官民の緊密な連携です。在留邦人の皆様がご自身の目的に応じ最大限のご活躍ができるよう、企業支援や良質な領事サービスのご提供を通じて、「役に立つ」大使館を目指したいと考えています。特に、大前提となる安全面については、日々緊張感をもって取り組みたいと考えています。

敷居のない、開かれた大使館として、我が国とインドの友好協力関係の一層の発展のために努力して参ります所存ですので、皆様からのご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。


駐インド日本国特命全権大使
平松賢司



八木毅前駐インド大使のメッセージ