新年明けましておめでとうございます。デリーの大使館から,インド各地でご活躍されている皆様に一言年頭のご挨拶を申し上げます。
昨年を振り返りますと,あらゆる方面で日印関係が大きく進展し,両国の絆が一段と深まった一年でした。多くの方々の御支援・御協力を得て実現した「日印友好交流年」は,インドにおける日本の存在感を増大させ,インドの皆さんに日本をより身近に感じてもらうための重要な契機となりました。
両国の友好関係の基盤を作るのは,人と人との交流です。実際に血の通った交流を通して,お互いに対する更なる関心が芽生え,理解が深まり,末永く続く友情が生まれると確信しています。昨年一年の友好交流年は終わりましたが,我々の意気込みは変わりません。インドにおける日本への関心がかつてなく高まっているこの機会を捉え,本年も引き続きあらゆる分野で積極的に行動し,大々的に日本をアピールしてゆく所存ですので,昨年と変わらぬ御支援,御協力を賜れましたら幸いです。
また,昨年9月の安倍総理のインド訪問は,まさしく最良の状態にある日印関係を象徴する前例のないものとなりました。11回目となった首脳会談においては,これまで積み上げてきた各種の協力案件をさらに具体的に前進させることができました。高速鉄道分野での協力の進展,インド国内及びインド太平洋地域の国々における質の高いインフラ整備を通じた地域連結性の強化,安保・防衛分野における協力の具体化など,あらゆる分野で協力を一層進めていく方向性が示されました。また,我々が最も重視する人的交流の分野でも,今後5年間でインドの100の高等教育機関において日本語講座を設立し,1000人の日本語教師を育成する取組を行う決定がなされました。これにより,多くのインドの若者が日本語を学び,日本への関心を高めることを期待します。
この著しい日印関係の発展は,何よりもまず,安倍総理とモディ首相の極めて強固な信頼関係に基づくものといえるでしょう。日印関係を強力かつ具体的に進めていくリーダーとして,安倍総理とモディ首相は固い絆で結ばれています。私も何度か首脳会談に同席させて頂いていますが,戦略面も含めこれだけ率直に意見交換が出来る首脳同士の関係は例を見ないと思います。自由,民主主義,人権,法の支配といった普遍的価値を共有する日本とインドは,単なる二国間関係を超え,「特別戦略的グローバル・パートナーシップ」の旗印の下,その関係を深めています。今やインドは,大きな転換点を迎えつつある世界情勢に対応するための不可欠なパートナーであり,安倍総理の「自由で開かれたインド太平洋戦略」とモディ首相の「アクト・イースト政策」が共鳴し,日印関係は地域の秩序を支える公共財として,地域,世界情勢の安定に寄与しています。
この勢いに乗り,2018年も文化や人的交流を通じた日印関係の深化と,首脳会談で合意された具体的な案件につき成果を出すことにより,未来に向け揺るぎない日印関係を築くことを目標に,館員一同努力していく所存です。
また,大使館の最重要任務は在留邦人の皆様へのサービス,安全の確保と心得ています。大使館として,皆様のために何ができるかを真っ先に考え,私が先頭に立って皆様の安心・安全を守るために最大限努力する所存ですので,引き続き宜しくお願いいたします。
最後になりましたが, 本年が,皆様と皆様のご家族にとって素晴らしい一年となることを祈念して,年頭のご挨拶とさせていただきます。
平成30年1月
駐インド日本国特命全権大使
平松賢司
平松駐インド大使からのメッセージ (平成29年11月)
平松駐インド大使からのメッセージ (平成29年6月)
平松駐インド大使からのメッセージ (平成28年11月)
平松駐インド大使からのメッセージ (平成28年5月)
平松駐インド大使からのメッセージ (平成28年1月)
平松駐インド大使からのメッセージ (平成27年12月)
八木毅前駐インド大使のメッセージ
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