大使からのメッセージ

平松賢司



この度,在ブータン大使として着任致しました平松賢司です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

私は,2月3日,ブータン王国の首都ティンプーにおいて,伝統的な儀式に迎えられ,ジグミ・ケサル・ナムギャル・ワンチュク国王陛下に信任状を捧呈しました。また,4代国王に拝謁を賜り,トブゲー首相,ドルジ外相等政府の要人とも親しくお話しをさせて頂く機会を得ました。また何よりもうれしいことに,滞在中,王子が誕生し,ブータン国民と共にその喜びを分かち合うことができました。

私にとって,今回は初めてのブータン訪問でした。このヒマラヤの自然に富む,美しく文化豊かで極めて親日的な王国の人々と接し,日本とブータンとの間の良好な友好協力関係をさらに発展させるために日本大使として精一杯努める決意を新たに致しました。

振り返れば,日本とブータンとの関係は,1986年に国交を樹立する遙か以前より,ダショー西岡をはじめとする農業分野での協力に始まる友好の歴史があります。電話,道路や橋など生活に必要な分野への経済協力のみならず,政治,文化その他の様々な分野での交流が行われてきています。

また,日本の皇室とブータン王室との交流として,1987年に徳仁親王殿下(現皇太子)が,1997年には外交関係樹立10周年の機会に秋篠宮同妃両殿下がそれぞれブータンをご訪問されました。2011年には,ジグミ・ケサル・ナムギャル・ワンチュク国王王妃両陛下が国賓として日本を訪問され,国会での演説に加え,東日本大震災で被災した福島を訪問し,犠牲者を追悼し,復興に向けた勇気を与えてくださったことは記憶に新しいところです。

そして,2016年は,日本ブータン外交関係樹立30周年の記念すべき年です。日本とブータンは,本年1年間を通じ,種々の記念行事や文化事業などを行うことを計画しています。この機会に,日本とブータン両国の多くの方々が更に相互理解を深め,二国間の友好親善関係が増進されるよう大使として努力してまいります。

ブータンには,日本大使館事務所がないため,在留邦人の皆様には,領事出張サービスを通じて可能な限りのサービスを提供してまいりたいと思います。また,安全に関する情報をはじめ各種の情報提供にも努め,皆様に役立つ大使館を目指します。

日本とブータンとの友好協力関係のますますの発展のために,大使館員一同精一杯努めてまいる所存ですので,皆様のご支援,ご協力を賜りますようお願い申し上げます。


在ブータン日本国特命全権大使
平松 賢司