大使からのメッセージ

令和4年1月1日
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 令和4年の年頭に当たり、新年の御挨拶を申し上げます。
 
 世界中で新型コロナウイルスとの闘いが続く中で、日本とブータンとの人的交流も大きな制約を受けています。私自身のブータン訪問も、過去2年にわたり実現していません。日本への留学や研修などを希望しているブータンの皆様は、日本への渡航が叶わないことに大きな不安を感じていることと思います。引き続き難しい状況がつづきますが、日本大使館としては、皆様の夢が一日も早く実現するよう、引き続き全力で支援していきます。
 
 新型コロナウイルスとの闘いの中にあっても,日本とブータンはその友好関係を着実に深めています。昨年、ブータンを含む世界各国が東京オリンピック・パラリンピック大会に選手を派遣したことは、多くの日本人の励みとなりました。また、10月に「ブータン日本週間」をブータン政府の協力を得てオンラインで開催できたことは大変喜ばしいことです。日本週間の機会に、我が国がブータンに対して初めて供与した草の根文化無償資金協力案件である「ブータン柔道場建設計画」の開所式が行われたことは、スポーツ分野を含む日本・ブータン間の文化交流の拡大のための契機となりました。
 また、国道四号線橋梁架け替え計画の完工式、ブータンにおける若手行政官育成のための奨学計画の実施、ブータン各地に所在する病院への可搬型超音波画像診断装置の供与、デジタル地形図整備計画の実施など、様々な取組が進展しており、新しい年への期待へと繋がっています。
 
 今年2022年は、日本・南西アジア交流年です。
 今から35年前の1987年に今上天皇陛下が日本の皇族として始めてブータンを御訪問になりました。その後、両国は、皇室と王室との交流にも支えられながら、相互理解と友好を深めてきました。
 また、1987年は、日本とブータンの間で青年海外協力隊(JOCV)派遣取極めが締結された年でもあります。ブータンの国作りにとって、また、日本とブータンの友好関係にとって、青年海外協力隊が果たしてきた役割がいかに大きかったかはご承知のとおりです。
 日本政府としては、日本とブータンの友好の礎から35年後の今年を、日・ブータン友好年として、両国の絆を更に深めるための機会にしたいと考えています。
 
 今年も、様々な手段を活用しながらブータンとの友好関係の強化に取り組んでいく所存です。また、ブータンにおける検疫措置の状況を注視しつつ、在留邦人の皆様の支援のため、領事出張サービスの早期の再開を目指してまいります。
 本年が、日本とブータンの両国にとってより良い年になるよう、そして皆様にとって実り多い一年になるよう祈念しております。
 
 
 
令和4年 元旦
 
 

駐ブータン王国日本国特命全権大使
鈴木 哲