「日印クリーン水素月間」の開催

令和4年2月18日
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 世界的な脱炭素の流れの中、二酸化炭素を排出しない新たなエネルギー源として「水素」に注目が集まっています。
 
 水素は、需要以上に発電し余剰となった再生可能エネルギーを変換して貯蔵・利用する将来のエネルギーキャリアとして期待されています。また、水の電気分解、工業プロセスの副産物、化石燃料など様々な資源から製造できるほか、利用時に二酸化炭素を発生しないことから、電力部門と非電力部門の両方を脱炭素化することができます。
 
 インド政府は、昨年8月に「国家水素ミッション」の策定を発表し、それに向けたグリーン水素・アンモニアに関する政策も発表しました。電気分解装置への補助制度(PLI)も表明しています。民間企業各社も水素製造や水素バスなどの関連事業に参画する意向を表明するなど、大きなポテンシャルを有する水素の利活用に向けた環境が整いつつあります。日本では、1980年代から40年以上にわたって、水素エネルギーや水素ステーション、燃料電池の研究・技術開発がなされており、エネファームや燃料電池自動車をいちはやく製品化するなど、国際的にも高い水準の技術を有しています。
 
 インドと日本はそれぞれ2070年、2050年までに「カーボンニュートラル」を実現することを目指しています。インドはこれに向けて2030年までに500GWの電源を非化石エネルギー由来とすることも掲げています。日本は、各国のエネルギー移行を支援するため、昨年6月、「Asia Energy Transition Initiative(AETI)」を立ち上げました。高い経済成長と脱炭素を両立させるためには、着実なエネルギートランジションが必要であり、産業部門や輸送部門における水素の利活用拡大は脱炭素社会の実現に不可欠です。CO2排出量世界第3位のインドと第5位の日本が、今後連携を深めていくことはグローバルにもインパクトがあることです。
 
 日本大使館では、当地で活躍する日系機関の皆様と連携し、水素に係る日印官民の提携を促進して更なる投資に繋げるとともに、水素の利活用における技術的・経済的な様々な課題を解決していくため、2022年2月から4月までを「日印クリーン水素月間」とし、以下に掲げる水素関連セミナーを集中的に行います。日印官民の全てのステークホルダーに、インドにおける水素事業のポテンシャルと日本の高い水素技術をお伝えします。本年は、日印外交樹立70周年の記念年です。是非これらのセミナーが、更なる日印経済の発展に役立てば幸いです。

 

1 日印水素ビジネスマッチングイベント

主催:JETRO(日本貿易振興機構)ニューデリー及びCII(インド工業連盟)
日時:2月24日(木)10:30~12:30(インド時間)(ウェブ方式)
テーマ:インドの水素振興における日系企業活用のポテンシャル
  ※インド政府及びインドの水素ユーザー企業を念頭に置いておりますが、どなたでもご参加いただけます。
主要スピーカー:旭化成、東芝、丸紅、三菱パワー、ACME、Avaada Group、NTPC等
お問い合わせ先:JETROニューデリー事務所 大瀧(IND-info@jetro.go.jp
 

2 日印水素セミナー

主催:NEDOニューデリー事務所
日時:3月下旬(日時未定)
テーマ:インドにおける水素事業のポテンシャル及び日本の技術開発等の取組
 ※日系企業を中心とした日印の官民水素関係者を念頭に置いておりますが、どなたでもご参加いただけます。
スピーカー:NEDO/TERI/日印政府機関等
お問い合わせ先: NEDOニューデリー事務所 加来、村上(メールアドレス:info@nedo.in
 

3 第4回 日印水素・燃料電池ワークショップ

主催:日本エネルギー経済研究所
日時:3月4日(金)9:00~16:30(インド時間)(ウェブ方式)
テーマ:日印の水素製造及び水素発電関連技術、及びインドをハブとした国際水素サプライチェーン
  ※印政府・企業関係者等招待者のみご参加いただけます。参加をご希望の方は、下記にお問い合わせ下さい。
スピーカー:神戸・関西水素利活用協議会、旭化成、Mitsubishi Power India、千代田化工建設、三菱商事、日本郵船等
お問い合わせ先:日本エネルギー経済研究所 青木(メールアドレス:indiaws@tky.ieej.or.jp
 
 このほか、日系民間企業においても水素に関するインド企業向けセミナーを予定しています。
 
 
お問い合わせ先:
在インド日本大使館
+91-11-4610-4610
jpembjic@nd.mofa.go.jp
※各セミナーについてはそれぞれの上記お問い合わせ先にご連絡ください。