無償資金協力「ヴァラナシ国際協力・コンベンションセンター」オープニング・セレモニー(モディ首相、鈴木大使出席、菅総理ビデオ・メッセージ)

令和3年7月15日
 7月15日、日本の無償資金協力により整備が進められてきた「ヴァラナシ国際協力・コンベンションセンター」のオープニング・セレモニーが、インド北部のウッタル・プラデシュ州(UP州)ヴァラナシ市の現地で開催されました。インド側からは、モディ首相をはじめ、アディティヤナートUP州首相等の関係者が出席し、また日本側からは、菅義偉内閣総理大臣がビデオ・メッセージを寄せるとともに、鈴木大使、松本JICAインド事務所長等の関係者が出席し、盛大に執り行われました。
 モディ首相は、式典で、「日印関係は、戦略的にも経済的にも、世界で最も良い二国間関係であり、インドの発展において日本は常に最も信頼できるパートナーです。この「ルドラクシャ」と名付けたヴァラナシ国際協力・コンベンションセンターは、新しいインドの建設のための力の源となります。「ルドラクシャ」を得て、ヴァラナシは世界の芸術、文化、ビジネスの中心となるのです。「ルドラクシャ」は新しい発展の中心になります。この「ルドラクシャ」の建設にご尽力頂いた日本国民の皆様、日本政府の皆様に感謝します。」と述べました。
 菅総理大臣は、お祝いのビデオ・メッセージを寄せ、日印友好の証として建設された「ヴァラナシ国際協力・コンベンションセンター」の完成に祝意を表し、同センターが、国際会議や、文化・芸術行事などの開催を通じ、緊密な日印協力の舞台として用いられ、日印友好の新たなシンボルとなることを期待する旨述べました。また、「特別戦略的グローバル・パートナーシップ」の下、グリーン、デジタル、サイバー、保健、連結性強化などの協力をはじめ、日印関係の更なる発展に取り組んでいく旨述べました。(菅総理のビデオ・メッセージの全文はこちら。)
 
【ヴァラナシ国際協力・コンベンションセンターについて】
 ヴァラナシ国際協力・コンベンションセンター(VCC)は、ウッタル・プラデシュ州(UP州)ヴァラナシ市において、インド政府が、文化・芸術の発信や人的交流の促進の拠点として整備を進めたもので、日本としては、「日印友好の証」として、無償資金協力により支援してきたものです。モディ首相は、叡智の象徴となるよう願いを込め、このVCCに、「ルドラクシャ」(Rudraksh=菩提樹の実)との愛称を付けました。
 インドの観光分野については,今後の同国の経済成長を牽引する可能性を十分に有する産業分野であるにもかかわらず、アジア太平洋地域の他国に比べて GDP 比率が低いといえます。ヴァラナシ市は、ガンジス川に臨み、約 3,000 年の歴史を持つ世界最古の都市の一つで、ヒンドゥー教及びジャイナ教の聖地であることからも同国の文化及び歴史の中心都市であるにも関わらず、これまで、その文化・歴史を発信・交流する施設が整備されていませんでした。
 VCCは、1,200人を収容し、最新の舞台/音響機器を備えたメインホールのほか、会議室や楽屋、120台分の駐車場等を備えています。本件への無償資金協力では、VCCの建設費用に加え、舞台装置の操作方法のほか、文化行事の企画などを含めた運営面全般のノウハウ提供を含めた支援も実施しました。また、建設にあたっては、日本企業の技術・経験が生かされており、株式会社オリエンタル・コンサルタンツ・グローバルと株式会社日建設計の共同企業体(設計・施工監理)、株式会社フジタ(施工)が従事しました。
 今後、VCCを拠点として、内外の人的・文化的交流が促進され、観光分野の振興を通じたインドの更なる発展が期待されます。