
新年明けましておめでとうございます。
昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大という未曽有の事態が世界中に甚大な影響を及ぼしました。人の移動や経済活動等あらゆる活動の自粛を迫られる中、インドでも3月末から大規模なロックダウンが開始されました。その後、各種規制の緩和に伴い人の動きが活発になる中で、感染リスクが極めて高い状況が続いてきました。対面での活動や交流に大きな制約がある中、いかに外交活動を実施し、在留邦人の皆様の安全を確保するかという大きな課題に直面した一年でした。
こうした状況の中でも日印関係を更なる高みに引き上げていくために、歩みを一歩一歩進めてまいりました。例えば、首脳間の電話会談や対面を含む外相会談などを通じて、日印両国が共有する「自由で開かれたインド太平洋」というビジョンの実現のために協力していくことを改めて確認しました。9月には日・インド物品役務相互提供協定(ACSA)の署名に至ることができました。また、10月に東京で日米豪印外相会合が開催され、4か国の外務大臣が直接顔を合わせて議論を行ったことは、日印及び日米豪印の強固な関係を内外に示すものとなりました。
これらに加えて、新型コロナウイルス危機対応のためのインドに対する500億円の緊急支援借款、医療機材供与を目的とする10億円の無償資金協力に関する交換公文の署名や、ムンバイ・アーメダバード間高速鉄道事業における最大の土木パッケージ(C-4)の契約署名等は、未曽有の危機的な状況においても協力を止めることのない日印両国の強固なパートナーシップの証左です。
本年も引き続き我が国とインドの関係強化に努め、日印両国のパートナーシップを新たな段階へと引き上げるための取組を続けていく所存です。また、当地で活躍する日本企業及び在留邦人の皆様への支援にも全力で取り組んでまいります。在留邦人の皆様におかれては、当館から発信しております新型コロナウイルスに関する情報もご参照いただきつつ、御健康に十分御留意いただくようお願いいたします。
一日も早い事態の収束を祈りつつ、本年が両国にとってより良い年になるよう、そして皆様にとって実り多い一年になるよう祈念しております。引き続き皆様の御支援、御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
令和3年 元旦
駐インド日本国特命全権大使
鈴木 哲
大使からのメッセージ (2019/11)
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