平成27年春の外国人叙勲 伝達式


1.4月29日、日本政府は、平成27年春の外国人叙勲として85名の受賞者を発表しました。その中で、TKAナイヤル元首相顧問は旭日重光章を授与され、本日午後、宮中において執り行われた「重光章勲章伝達式」に出席し、安倍内閣総理大臣から勲章及び勲記を伝達されました。その後、伝達された勲章を着用した同氏は、豊明殿において、天皇陛下に拝謁しました。

2.同氏の叙勲は、日本・インド間の関係強化及び友好親善に寄与した功績によるものです。

3.TKAナイヤル元首相顧問の功績・経歴は以下のとおりです。

(1)TKAナイヤル氏は,1939年インド・ケララ州に生まれ,1963年にインド行政職として採用されました(パンジャーブ州所属)。2004年5月から長期間に亘り,首相府首席次官を務めた後,2011年3月から2015年5月まで首相顧問を務めました。また,過去には,インド政府公企業任命委員会委員長(1999年~2004年)及びパンジャーブ州首席次官(1995年~1996年)の職も務めました。

(2)マンモハン・シン前インド首相の下,首席次官として,その後,首相顧問として,日印関係の更なる発展に貢献しました。日印間では平成17年以降年次首脳会談の枠組が導入されていますが、シン首相(当時)の下でナイヤル氏はその実現に寄与しました。政治・安全保障・経済・科学技術等幅広い分野で日印協力が拡大する上で、この年次首脳会談の枠組が原動力となっています。

(3)また、ナイヤル氏は、特に貿易,通商及びインフラ整備といった分野において重要な役割を果たしてきました。例えば,当館,インド中央政府の各省庁,関係州政府及び他の関係者とともに,日印協力の代表的な案件であるデリー・ムンバイ間産業大動脈構想(DMIC)やチェンナイ・バンガロール産業回廊構想(CBIC)に関与するとともに,定期的に進捗をモニタリングし,事業の更なる発展に努めてきました。更に、ナイヤル氏は,日系企業がインドに進出する際に直面する課題を解決する上で重要な役割を果たしてきました。

(4)この他、ナイヤル氏は、日印包括的経済連携協定の交渉妥結を促進した他、インド情報技術大学ジャバルプル校(IIITDM-J)及びインド工科大学ハイデラバード校(IIT-H)に対する協力事業を強力に推進し、これら両校を日印学術・教育交流の拠点として発展させるのに貢献しました。