~デング熱流行に関する大使館からのお知らせ~

 


在留邦人の皆様へ

2008年8月28日
                         在インド日本国大使館


   在留邦人の皆様も既に新聞等でご存じの通り、今年はモンスーンの早期到来等により蚊の大量発生が指摘されており、デング熱、マラリア等の大流行が懸念されています。

   報道によれば、8月25日時点のデング熱感染者数は、デリー60名、グルガオン213名(内2名死亡)であり、デング熱が大流行した2006年(インド全体3,366名感染、65名死亡)における8月25日時点の19名と比べると大幅に増加している状況にあります。

   つきましては、デング熱はこれから冬季に至るまで最盛期を迎えますので、以下(1)から(3)までの内容を承知した上で(4)にある予防策を取ることをお勧めします。

(1) 感染源
デング熱はデングウィルス(フラビウィルス属で1~4型まである)を持つ蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなど)に刺されることで感染します。
デング熱を媒介する蚊の活動は、ハマダラ蚊(マラリア媒介蚊)と異なり、夜明け少し前から夕日が落ちるまでの間(特に朝と夕方)です。
(2) 症状
3~7日(通常5~6日)の潜伏期を経て、突然の発熱で始まります。
激しい頭痛、眼痛(目の奥の痛み)、関節痛、筋肉痛等を伴う40度前後の熱が5~7日間続き、その後発疹が出現します。この発疹は風疹と同じような小さな紅斑で、通常、かゆみや痛みはありません。
(3) 治療方法
デング熱には特効薬はなく、一般に対症療法が行われます。死亡率は1%以下であると言われています。ただ、時にデング出血熱という重篤な病気になることがあります。デング出血熱は、死亡率の低いデング熱と異なり、口や鼻等の粘膜からの出血を伴い、その国の医療レベルにもよりますが、10%前後が死亡すると言われています。この出血熱は発熱して2~7日してから発症することが多い様ですが、デング熱にかかった人がデング出血熱になるかどうかは事前に予測出来ません(大人よりも子供に多発する傾向があります)。
(4) 予防方法
デング熱には予防接種も予防薬もなく、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防方法です。
デング熱を媒介するネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等は古タイヤなどのわずかな水たまりで繁殖するため都市部でも多く見られるので、外出する際は長袖シャツ・長ズボンなど蚊に刺されにくい服を着用し、肌の露出した部分には昆虫忌避剤(虫除けスプレー等)を2~3時間おきに塗布する。
室内においても、電器蚊取り器、蚊取り線香や殺虫剤、蚊帳(かや)等を効果的に使用する。
体力が低下すると免疫力が落ちるので、規則正しい生活と十分な睡眠、栄養をとる。
突然の高熱や頭痛、筋肉痛や関節炎、発疹等が現れた場合にはデング熱感染を疑って、直ちに医師の診断を受ける。

デング熱に関しては、下記のホームページをご参照下さい。
国立感染症研究所 
http://idsc.nih.go.jp/disease/dengue/index.html