在インド日本国大使館 医務官 藤嶋浩司
1.ウイルスについて
(1)豚インフルエンザウイルスが起源と考えられる新しいウイルス。
(2)季節性インフルエンザの原因であるA型インフルエンザウイルスH1N1(Aソ連型)とは異なるウイルス。
2.新型インフルエンザの特徴
(1)潜伏期間:1~7日
(2)感染経路:飛沫感染が主な感染経路。空気感染する可能性もある。
(3)症状 :発熱、咽頭痛、咳、頭痛、筋肉痛、倦怠感など、季節性インフルエンザの症状とほぼ同じだが、20~40%に下痢や吐き気といった消化器症状が見られる。
(4)他に感染させうる期間:発病1日前から、発病7日後までは周囲に感染させる可能性がある。
(5)治療:抗インフルエンザウイルス薬のうちアマンタジンには抵抗性だが、タミフル(Oseltamivir)、リレンザ(Zanamivir)(括弧内は一般名)は有効とされる。成人の場合、タミフルは1回1カプセル(75mg)、1日2回で5日間内服、リレンザの場合1回1吸入(2ブリスター=10mg)、1日2回で5日間続ける。(5月6日、米国疾病対策センター(CDC)は、リスクのない軽症例には抗インフルエンザウイルス薬を使用しない方針を発表)
(6)ワクチン:従来のインフルエンザワクチンは無効とされている。新型インフルエンザウイルスに対する新しいワクチンの製造には6ヶ月ほどかかるといわれている(インドで入手できるまでにどれくらいかかるかは不明)。
3.予防対策
(1)こまめに石けんでよく手を洗う(特に外出から戻ったとき、食事の前など)
(2)流行時にはマスク(サージカルマスクなど)をする
(3)流行時には人混みを避ける、又は長時間人混みの中にいないようにする
(4)熱があるとき、体調が悪いときは出勤(登校)せず自宅で休み、必要に応じて医師の診察を受ける
(5)咳やくしゃみをするときは、ハンカチやティッシュペーパーなどで口を覆うかマスクをする
(6)インフルエンザの症状のある人に近づかない
注:以上の内容は5月8日現在のものです。新たな事実に基づいて内容が変わることがあります。
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