大使からのメッセージ

平松賢司


ヒマラヤの麓の王国ブータンにも春がやって参りました。日本でも新学期を迎え,新たな気分で日々お過ごしの方も多いのではないかと思います。

さて,この春,私が駐ブータン大使として着任して3年目を迎えました。この間,多くの要人往来や文化交流,開発協力プロジェクト等を通して日・ブータン関係が飛躍的に発展し,両国の皆さんがお互いをかつてなく身近に感じておられることを実感しています。私自身も,日・ブータン関係の発展に特に力を入れており,王族や政府関係者をはじめ,大切な友人であるブータンの方々と対話を重ねるべく,そしてブータンにおいて開発協力や日本語教育に尽力されている日本の皆様に感謝の意をお伝えすべく,既に10回ブータンを訪問しています。

日本とブータンの関係は,国交樹立に先立ち,ブータンで最も重要な産業である農業分野から始まりました。「ダショー」という称号を国王から付与された故西岡京治氏による農業生産拡大への貢献は,ブータン全土で広く知られており,時を超えて語り継がれています。

また,両国の友好関係の発展に,日本の皇室とブータンの王室の交流が果たした役割ははかり知れません。とりわけ,昨年6月の眞子内親王殿下によるブータン御訪問は,ブータン国民の皆さんの熱烈な歓迎を受け,両国の絆を一段と深めるものとなりました。色鮮やかな「ブータン花の博覧会」や「日本週間」の様子は,日本のメディアでも大きく取り上げられ,両国民の心に強く印象を焼き付けるものとなりました。

また,一昨年は両国の外交関係樹立30周年を記念して,年間を通して日・ブータン両国で様々な文化行事やスポーツ交流の催しが行われました。この際に,ブータン政府により実施された日本人観光客への親善オファーにより,前年の約5倍の日本人観光客がブータンを訪れるなど,人的交流も一層盛んになりました。今後もたくさんの日本の皆さんにブータンを訪問していただき,豊かな自然と人々の温かい笑顔に触れていただきたいと思います。

さて,先般,トブゲー首相夫妻及びドルジ外相が日本を訪問されました。2014年に続き2回目となる首脳会談において,両首脳は,農業,医療,教育,人材育成等の分野において協力を一層深めることで一致した他,双方の関心事項である地域,国際問題に関して幅広い議論を行いました。また,トブゲー首相一行は,福島県相馬市を訪問し,東日本大震災後の復興の様子を視察した他,相馬市役所においては,2011年に同市を訪問されたブータン国王陛下から市民に向けたメッセージが伝えられました。また,最終日には,神奈川県大磯町にある旧吉田茂邸において,河野外務大臣とドルジ外相との間で外相会談が行われました。それに続くワーキングディナーにはトブゲー首相も参加し,二国間関係や国際情勢について更に深い議論が行われました。

私も全日程に同行していましたが,トブゲー首相より,長年にわたる日本からの支援に対し,ブータン国民を代表して心からの御礼が繰り返し述べられていた様子は大変印象的でした。

このように,皇室・王室間の交流,政府要人による往来や文化・スポーツ交流,開発協力等を通して益々深まっている日ブータン関係をさらに進展させ,ブータンの社会経済発展に貢献するとともに,両国の皆さんにお互いをより身近に感じてもらえるように,我々大使館員一同,さらに精力的に日々の業務に取り組んで参る所存です。

我々大使館員はインドに駐在しながらブータンを兼轄しておりますが,私をはじめ,館員がなるべく頻繁にブータンを訪れ,邦人の皆様へのサービスに努めるとともにブータン政府要人等と対話を重ねるべく努力しております。

今後も,引き続き皆様への適時適切な情報提供や注意喚起,安全のための支援に努めてまいりますので,どうぞよろしくお願い致します。

平成30年4月

在ブータン日本国特命全権大使
平松 賢司



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